ニュース

熱海で「ホテル用地争奪戦」、日中入り乱れた不動産投資の内幕




こんにちは。不動産担保ローンの日宝です。
世界最大の同人誌即売会として知られるコミックマーケットが、2019年に夏と冬に開催する「コミックマーケット96・97」で一般参加の有料化を検討していることが明らかになりました。 2020年東京五輪・パラリンピックの会場準備の影響で、開催期間を延長したことによる経費増加などに対応するためとのこと。コミケだけでなく、オリンピックによる会場不足問題は他の展示会にも影響を与える可能性があるそうです。
さて、今日は熱海における不動産投資について触れてみたいと思います。



 「奇跡のV字回復を果たした」としてメディアにも取り上げられている、日本有数のリゾート地・熱海。観光客が増えれば、それを吸収するホテルや旅館などへの投資も活発になる。今回、そんな熱海の宿泊施設における不動産投資計画を中心に現地調査した。果たしてどんなプレイヤーが、どんな争奪戦を繰り広げているのだろうか。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 大根田康介)

■ホテルラッシュはバブル期以来か
 「羽田国際空港から電車(新幹線)で1時間くらい、熱海、箱根、小田原、湘南、条件が良ければ伊東まで。和風建築の日本らしい建物で、海の眺望がきれいな物件がほしい」
 日本有数のリゾートとして知られる静岡県熱海市には今、こんな希望を持つ中国系投資家が続々参入している。中国系企業の保養所として使われるケースもあるが、その多くは宿泊施設への不動産投資だ。しかも、彼らはひとたび物件を気に入れば、たとえ商談中であっても相場よりかなり高めで横から割って入り即買いするという。
 今年3月末、「地方のホテル『3大訳あり物件』を完売させた訪日客需要の威力」で報じたように、中国系投資会社による高級ホテル「熱海パールスターホテル」の進出が判明し、地元関係者の度肝を抜いた。
 このホテルの前身は、10年もの間空きビルだった巨大な複合商業施設「aune ATAMI」(その前はつるやホテル)だ。尾崎紅葉の新聞小説「金色夜叉」の舞台で熱海の観光名所「お宮の松」の正面にある建物を、香港に拠点を置く企業グローリー・チャンピオン・エンタープライズ・リミテッドがホテルとしてリニューアルする。運営は、国内各地で温浴施設などを手がけるネスパ(東京都練馬区)が担う。
熱海は、高度経済成長期からバブル期にかけて大いに栄え、ホテルや旅館などの宿泊施設、企業の保養所、リゾートマンションがひしめいていた。しかし、バブル崩壊とともに観光客が激減し、宿泊施設利用者数が1991年度の440万人から2002年度には300万人を割り込んだ。さらに、リーマンショックや東日本大震災などで、2011年度には246万人まで落ち込んだ。そんな中、宿泊施設が次々廃業し、保養所は売りに出され、マンションや商業施設の開発計画が頓挫したことで、街のあちこちに建設途上の建物や更地が放置されていった。
 だが、その後は「『熱海』が宿泊客半減の苦境からV字回復できた理由」にもあるように、2015年度に宿泊施設利用者数が308万人まで回復し大きな話題となった。そんな市場を狙って今、熱海では日本資本と中国資本が入り乱れてホテル用地争奪戦が盛んなのだ。
 熱海・伊豆・箱根の別荘、ホテル、リゾート物件のマーケット情報に詳しい、伊豆海山(いずみやま)不動産鑑定事務所の柳田毅不動産鑑定士は、「今の熱海のホテルラッシュはおそらくバブル期以来だ」と話す。そこで当サイトでは、柳田氏や地元の不動産関係者などの協力を得て、ここ最近の熱海における宿泊施設への投資計画を調査した。その結果が下の【表】だ。
 柳田氏によると、不動産投資の大きな流れとしては以下の4つがある。
(1)既存施設の取得やリブランドなど(【3】【9】【11】【12】【13】)
(2)熱海ですでに事業をしている企業の追加投資(【1】【2】【4】【5】【7】【8】)
(3)宿泊施設の新規オープン(【6】【10】)
(4)(1)~(3)いずれかの目的で取得したが、転売に変更(【14】【15】【16】)
(1)は老朽化した、もしくは空室だった物件を取得し、業態転換やリブランドするパターンだ。少し前の「伊東園ホテルズ」や米系資本ベインキャピタルの「大江戸温泉物語」などが、その典型だ。最近では買収対象の古いホテルが減ったため、閉鎖された保養所や老朽化した店舗ビルなどを取得し、宿泊施設に用途転換する事例が増えている。
(2)は、カトープレジャーグループ(熱海ふふ)や共立メンテナンス(ラビスタ伊豆山)など、熱海にある他の既存施設が好調といった理由で追加投資するパターンだ。例えば、【7】の共立メンテナンスの「ラビスタ熱海」は、熱海パールスターホテルに隣接する地に建てられることが今年8月に分かった。13棟、327室からなるリゾートホテルで、来年3月着工、2022年12月末完工を予定している。
(3)については、例えば【10】のプリンスホテルが熱海に新規参入することが、今年10月に明らかとなった。「どのブランドで出店するかなど、まだ公表できる段階にはない」(広報担当)が、近々発表される見通しだ。

■相場の倍近くで即買いも中国系投資家の思惑
そして(4)が、最近の中国系投資家に多いパターンだ。当初はホテル・旅館への転用や自社保養所としての利用を目的に取得したものの、昨今の観光客増加による不動産価格高騰を受けて、利ザヤを狙い短期で転売に出される。
 例えば【14】は、地元不動産関係者によれば「現オーナーは中国系旅行会社で、日本人のホテル関係者を雇用し開業を計画していたが、現在は売りに出ている」という。前オーナーの取得時は7000万円ほどだったが、現オーナーが約2億円で取得した後、今は同物件が3.5億円で売り出し中となっており転売を狙っているようだ。
【15】は熱海市街地西部にある日本企業の保養所を、中国系投資家が1億円台後半で購入した。現在2億円台半ばでの売却を、水面下で模索中だ。また【16】は、日本企業の保養所を中国系投資家が現地も見ずに購入した。どうやら当初の目的は自宅だったようだが、大きすぎたため旅館に改修し、営業を続けながら水面下で2億円という価格で売りに出ているという(前出の地元不動産関係者)。
 タックスヘイブンの法人を使った、中国系投資家による投資も見られる。【13】JR熱海駅近くにある小規模店舗ビルで、日本人同士が当時の相場よりもやや高い価格で商談中だった。別の地元関係者によれば、そこに中国系投資家がほぼ倍の値段を付けて即買いしたそうだ。ここの登記簿謄本によれば、物件の所有者名は、タックスヘイブンである英国ヴァージン諸島の法人名義となっている。実は冒頭に出てきた【12】の「熱海パールスターホテル」の土地所有者も、英国ヴァージン諸島の法人だ。【12】と【13】の法人名が似通っているため、複数の地元関係者の間では「同一の投資家か、お互いに近しい関係ではないか」との観測も広まっている。
   こうした状況を受け、現在は局所的に地価が高騰している。柳田氏によれば、熱海駅周辺では3年前の2015年は相続税路線価の1.2倍程度(おおむね公示価格水準)での取引が一般的だったが、「2016年には1.5倍程度でも取引が成立し、2017年には一部で3倍を超えるケースも見られるようになりました」という。
 この駅周辺での地価上昇の動きが、今後は観光需要の見込める海沿いを中心に周辺部へ波及する予兆もある。その証拠に、前出の地元不動産関係者によれば今年の春、海沿いのとある土地では相続税路線価の約4.6で買いたいという投資家がいた。ところが、売り主は5.8倍という強気の価格を提示した。結局、その商談は成立しなかったが、「特に海沿いの物件所有者は強気になっているようです」(柳田氏)。
 熱海の観光客の主力は、熱海にネガティブな先入観を持たない若者に移りつつある。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、今はまだ少ない外国人観光客の増加もこれから見込める。だから熱海の成長余力は大きいとみる投資家も多い。それが、ホテル計画がラッシュの背景だ。
 もっとも、リゾート地は金融情勢や自然環境の影響を受けやすい。この勢いはどこまで続くのか。また、中国系投資家がどこまで食指を伸ばしてくるのか。柳田氏は「すでに熱海のホテル適地は限定的です。そのため、投資家の目が隣接エリアに向かうことを期待し、熱海市の隣の伊東市では、沿岸部の閉鎖ホテルに路線価の10倍を付ける日本人売り主も出てきています」と話す。
 今はまだ局地戦とはいえ、日中入り乱れた投資が熱を帯び、ホテル用地争奪戦が激しくなってきた熱海からはしばらく目が離せない。

DIAMOND online 2018年10月29日配信 熱海で「ホテル用地争奪戦」、日中入り乱れた不動産投資の内幕 より引用


熱海の他にも、ニセコを含めた北海道全域も中国人による不動産投資が活発な地域です。林野庁によると、2017年の1年間に日本以外の法人、または個人が北海道で買収した森林面積は、東京ドームおよそ11個分(53ha)にあたるそうです。そのうち、およそ半分にあたる25.43haは、香港などを含む中国系資本が買収したものだそうです。
2018年3月には、航空自衛隊の基地と隣接する新千歳空港近くの土地およそ52haが、中国の大手ネットショッピングサイト「アリババ」に、およそ49億円の売値で出品されたそうです。出品者は、「この土地を外国人が所有すれば、北海道で国際会議が開けなくなる」とうたい、日本人が高値で買い戻すことに期待をにじませていたとの噂もあるようです。
カンボジアのリゾート地、シアヌークビル一帯は「第二のマカオになる」といわれ、投資が活発に行われているようです。中国系の高層ホテル、マンションの建設も相次ぎ、人口7万ほどの都市に中国人観光客をターゲットにしたカジノが30軒ほど軒を連ねているそうです。高層ビルやリゾートマンションの建設も進み、家賃も上昇し続けているそうです。
中国マネーのパワーは衰退しているとも言われていますが、投資やまもなく来る「独身の日」の販売額を聞く限り、まだまだ力を保っていると感じることができるのではないでしょうか。日本にとって影響力の大きい中国の動向に、今後も目が離せませんね。



不動産担保ローンの日宝より
ページ先頭に戻る
  • お申し込みはこちら
  • 0120-250-890
  • ご紹介歓迎
  • 高価買取致します