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世界20億人の「金融難民」を救え! 世界が注目する日本発のフィンテック・ベンチャー




こんにちは。不動産担保ローンの日宝です。
地球史上の生物や環境の変化によって区分される地質時代が、「チバニアン」と名付けられる見通しとなりました。茨城大学などの研究グループは、千葉県市原市の地層には地球の磁場が逆転した痕跡が明確に残っていることなどが評価され、国際的な名称の候補に選ばれたと説明しました。
約77万年前から12万6000年前の地質時代を示す基準として国際学会の一次審査を通ったこの地層は、今後、3段階の審査を経て来年中にも正式に「チバニアン」という名称に決まる見込みで、地質時代に初めて日本の地名がつくことになります。教科書に「チバニアン」が表記されるのも、まもなくかもしれませんね。
さて、今日は「賃金前払いサービス」を実現した日本のフィンテックベンチャーを紹介します。


世界20億人の「金融難民」を救え! 世界が注目する日本発のフィンテック・ベンチャー

世界には、貧困などのため銀行口座を持てず、金融サービスを受けられない人が20億人いるといわれる。そんな既存の金融システムから排除されてしまった「金融難民」が、急な出費への対応や食事や買い物といった日々に生活に困らず、さらには低所得層というカテゴリーから抜け出せる仕組みをつくるため、彼らが日々働いた分の給料を上限として決済サービスを受けられる、いわばキャッシュレスの「賃金前払いサービス」を実現したのが、日本発のフィンテック・ベンチャー「ドレミング」だ。
「ファイナンス(金融)」と「テクノロジー(技術)」を組み合わせた造語で、IT技術を使った斬新な金融サービスを指す「フィンテック」の分野で今、ドレミングは世界的な注目を集めている。サービスの本格稼働はこれからだが、すでに日本(本社は福岡)、サンフランシスコ、ロンドン、シンガポールに拠点を開設し、今年8月には新たにインド法人を立ち上げた。
同社のミッションは、「働くひとの収入を増やし、貧困格差を減らし、平和で心豊かな社会を築くこと」。社会貢献に特化したユニークなビジネスモデルでありながら、持続可能な収益事業でもあることが、世界から評価される最大の理由だ。大きな可能性を秘めるこの事業は今後、どう展開していくのか。海外現地法人のCEO(最高経営責任者)を務めるドレミング創業者の高崎将紘氏に話を聞いた。

■借金から生活苦への悪循環を断ち切りたい
——世界を飛び回っていて、ほとんど日本にいないそうですね。
高崎 去年から、あちこち飛び回っています。今年は年初から半年間、ロンドンにいました。今回も昨日、サンフランシスコから東京に戻ってきて、2日後にはサウジアラビアに向かいます。日本にいるのは、年の3分の1くらいです。

——ドレミングは、どんな事業をしているのですか。
高崎 ドレミングが目指すのは、低所得層の労働者に急な出費が発生したり、日々の生活費でお金が必要なったりしたときに、安心して日常の買い物ができる仕組みづくりです。現状では、日本ならば年利十数パーセントの消費者ローンで借りることになるでしょう。米国でも低所得者向けに、消費者金融が給与を担保にして提供するペイデイローンがありますが、これは実質的に数百%もの高い年利を取ります。これが、労働者の生活をさらに苦しくするという悪循環を生んでいるのです。大変深刻な問題です。
現在、世界の人口は70億人。成人人口が45億で、そのうち銀行口座をもっていない人は20億人いるといわれています。銀行口座がないということは、融資も受けられず、クレジットカードも発行できない。さらに、口座は持っているけど、消費者ローンやペイデイローンに依存してしまっている人たちもいる。これが世界の現状なのです。このように、既存の金融システムから排除された人をいかに取り込んでいくかという試みが、フィンテックの中でもフィナンシャル・インクルージョン(金融包摂)と呼ばれる分野で、そこに私たちドレミングは位置しています。社会貢献的な側面を持つだけでなく、低所得層はいずれ中間層に成長する可能性があり、ビジネスとしても高いポテンシャルがあります。

——具体的には、どのようなサービスを提供するのですか?
高崎 「ドレミング・ペイ」というサービスです。まず、会社に私たちの勤怠管理システムを導入してもらい、従業員が日々の出退勤の打刻をして、雇用主がそれをチェックして承認すると、従業員のその日の手取り給与額が把握できます。従業員は、それをスマートフォンのアプリなどで確認することができ、その額を上限に提携先の店舗でキャッシュレスで買い物ができます。代金は、雇用主が給料日にまとめて各店舗に送金し、従業員は天引きされた残りの給与を受け取ります。従業員と雇用主から手数料は取りません。これならば、銀行口座は必要ありませんし、“借金”ではないので金利もありません。

——言ってみれば、賃金の「前払いサービス」ですね。
高崎 そうです。それを実現させるいちばん重要な仕組みが、従業員の勤怠管理から給与計算、振込までのペイロール(給与支払業務)をリアルタイムで一括管理できる「勤怠連動型給与システム」です。実は、リアルタイムでペイロールを処理できるシステムは、世界でほかにありません。私たちのシステムでは日々、退勤した瞬間に給与や税金などの計算をし、手取り額を算出する。そのデータがあるから、従業員はその額を上限にお金を使うことができるのです。
このドレミング・ペイのサービスの前段階として、日本ではジャパンネット銀行とセブン銀行とパートナーシップを組み、口座ベースの「賃金前払いサービス」を始めます。ジャパンネットであれば、オンライン・バンキングでいつでも働いた分の給与を自分の口座に引き出せる。セブン銀行では、セブンイレブンのコンビニエンスストアにあるATM(現金自動預け払い機)から、いつでも現金が引き出せる「リアルタイム振込機能」をこの11月にも始める予定です。

——「電子マネー」を使ったドレミング・ペイのサービスは、いつ始まりますか?
高崎 インドとベトナムで話が進んでいます。インドでは大手財閥のリライアンス・グループが、現地で展開する電子マネーを普及させるためにスマートフォン5億台を無償で配る計画があります。それに組み込むペイロール・システムとして、ドレミングのサービスが採用される予定です。今年の8月にインド法人を立ち上げて、2018年中のサービス開始を目指してプロジェクトを進めています。ベトナムでは、リエンベト郵便銀行(以下、LPB)と実証実験をすることがこのほど決まりました。LPBが展開するEウォレット(電子マネー口座)の普及や活用につながることを見込んだ試みです。
新興国のみならず、英国でも金融庁にあたる金融行為規制機構(FCA)とドレミングのサービス導入に向けて話を進めています。銀行口座を持たない難民に対してドレミングのシステムを使った金融サービスを提供すれば、貧困問題の解決につながるのではないかという着眼点です。

■人事データの蓄積で仕事のモチベーションをアップさせる
——サービスが開始すれば、世界の労働者の生活が一変しそうですね。
高崎 考えているのは、それだけではありません。私たちのサービスの最大の資産は「人事データ」です。応用できる領域はいろいろありますが、データが蓄積されてくれば、例えば、個々人の労働履歴が銀行融資やカード発行の際の与信機能になります。銀行口座を持っていない人でも、数年間の勤務状況、昇給情報、日々の支払いなどの履歴があれば、信用情報として使えるのです。日々の頑張りがちゃんと履歴として積み重なれば、それが仕事へのモチベーションにもつながるのではないでしょうか。
また、マーケティングとの連動にも大きな可能性があります。私たちが提携するクライアントには宅配ピザのチェーンや映画館の運営会社などがあって、彼らの話によると、水曜日はお客さんが少なかったりする。一方で、ブルーカラー労働者はシフト勤務で平日休みの人も多く、ドレミングのシステムに蓄積されたデータから水曜日に映画を観て、ピザを食べる可能性がある人がどれくらいいるか把握できます。そこをうまくマッチングしてクーポン券などを発行すれば、労働者はコストを抑えることができますし、店舗は売り上げを増やすことができますよね。

——こうした広がりがドレミングの収益につながるわけですね。
高崎 ドレミング・ペイの手数料は、現地の市場状況を踏まえて、契約店舗が支払う場合や、電子マネーの決済事業者などが支払う場合など、現地の市場の状況を踏まえて適宜調整します。少なくとも、ポリシーとして従業員から手数料を取ることは絶対にしません。
さらに、フィー(報酬)制を導入します。先ほどの付加サービスで、銀行からの融資が成立すれば、銀行からフィーをもらう。マーケティングでクーポンを出せば、その店舗からフィーをもらう。いずれにしても、まずは広くドレミングのシステムを使ってもらわないといけないので、実は現在、システム導入の費用はすべて無料にしています。
——ドレミングはもともと、父親の義一さんが経営する会社がベースになったということですが。
高崎 ドレミングは、父が代表を務める「キズナジャパン」の社内プロジェクトとして始まり、2015年6月に創業しました。ドレミングのサービスは、父が開発したシステムが起点になっています。
もともと父は神戸で居酒屋やハンバーガーショップのフランチャイズ店を経営していたのですが、1995年の阪神大震災で被災したのを機にキズナジャパンを起業しました。飲食店での経験をもとに、勤怠管理から給与計算、支払いまでを連動させてリアルタイムに管理できるシステムを開発し、その販売を始めたんです。
その後、2008年のリーマンショックで住居がなく、インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が問題になりました。キズナのユーザーにも“難民”になってしまった人がいて、ヒアリングすると「給料日前にお金がなくなって給料日までもたない」という話でした。フルタイムの仕事を失い、住む家も失い、そうなると日雇いの仕事をしてネットカフェで寝泊まりするしか選択肢がない。そこで、給料日まで待たずに自分の働いた分の給料を好きなタイミングで引き出せる「MY給」というサービスを始めました。これらのサービスを改良してネット事業に最適化させたのが、「ドレミング・ペイ」です。

■社会貢献のために大手国際会計事務所を退社
——ドレミング・ペイのアイデアは、どこから生まれたんですか?
高崎 2013年にキズナジャパンがベトナムの半導体メーカーにシステムを導入したのですが、そのとき5千人の従業員に給与を現金手渡しで支給していました。なぜこのようなアナログな方法を取るのかと思ったら、ほとんどの人が銀行口座を持っていないんですね。しかも、給料日になると工場の前に取り立て屋が立っている。従業員たちは給与を担保に、しかも不当に高い手数料で借金をしていて、そこから抜け出せない窮状ぶりでした。 そこで先述したネットカフェ難民を救済した仕組みを応用し、銀行口座を持たない人たちに対してもサービスを提供できないかと考えたのです。

——それがドレミング・ペイを生み出すヒントになったのですね。
高崎 かねてから、キズナジャパンが保有する人事データは、もっといろいろなことに生かせるではないかという思いがありました。
私は大阪府の高校を卒業した後、米国の大学に進学しました。本当は、そのままずっと米国に居たかったのですが、現地で採用された「アーンスト・アンド・ヤング」(以下E&Y、ロンドンを本拠地とする大手国際会計事務所)で東京支社の配属になり、2012年12月に帰国しました。そして、働いて2年ほどたったときに、父から海外事業を任せられる人間はいないかと相談を受けたのです。自分自身はE&Yの仕事を通じてまだまだ伸び代を感じていてすごく悩みましたが、背中を押してくれたのはキズナジャパンの人事データの可能性と、社のビジョンでした。生活に困った低所得者層を救済するという社会貢献重視のビジョンに人が集まって事業を展開するという点に、大きなやりがいを感じました。

——紆余曲折があったのですね。少年時代から海外志向だったのですか?
高崎 いや、まったく(笑)。実は、小学校1年から吃音を発症しまして、中学、高校と思春期にシャイになって対面コミュニケーションができなくなっていました。吃音の人はみんな大変だと思いますが、このまま大学、就職と将来のことを考えた時、絶望的な気持ちになるんですね。そのとき、たまたま父親の友人が留学を斡旋していて、英語ができるのはカッコいいなと思いまして。当時19歳でしたが、「人生を変えたい」という思いに突き動かされ、留学のチャンスに飛びついたのです。

——そして米国での生活が、ご自身にフィットした、と。
高崎 最初はものすごく大変でした。シャイで英語もできない。一生懸命話しても聞いてもらえないし、友だちもできない。しかし、英語が下手でもとにかく笑顔をで話しかけると相手はきちんと聞いてくれるんです。それでやたらとスマイルを意識していたら、内面からどんどん変わってきて、「人と話すことは楽しいんだ」と気づきました。いま振り返ると、この発見が大きなターニングポイントになりましたね。

■デジタル格差は時代が解決してくれる
 ——20代のころからネットビジネスについて考えていたのですか?
高崎 いや、もともとネットありきではなくて、低所得層の労働者の現状をいかに打破できるかに関心がありました。その解決策は当然、安価でなくてはならないので、その意味でインターネットは最適なツールといえます。今後、ますますスマホ1台で生活に関するいろいろなことが完結できる時代になりますから。

——一方でフィンテックの発展により、地域や人によってデジタル格差、情報格差が生まれるかもしれません。
高崎 それについては、やがて時代がついてくるのかなと考えています。たとえば、アフリカに「M-PESA(エムペサ)」というモバイル送金サービスがあります。携帯電話の利用料に余分にチャージして送金や支払いができる仕組みで、これがケニアで大成功しているんです。いまやケニア経済の半分以上はエムペサで決済されている。実際、現地では光熱費の支払いなど、ほとんどの人が日常的に使っています。
誰もが持っているデジタル端末を使えば、各種サービスにいつでも、どこでもアクセスできるようになる。ほんの10数年前には考えられなかったことが今は当たり前になっていますから、そういった変化をとらえ、より生活者にフィットする利便性の高いサービスを生み出すのが、私たちフィンテック企業の役割の1つです。

■フィンテック事業の壁は規制と既成概念
——フィンテックというと日本ではまだ距離がある印象です。
高崎 日本でフィンテックの事業をするとき、最大の障壁となるのは「規制」と「既成概念」、そして金融に変わり得る可能性への「不寛容」ではないでしょうか。実際に、やはり大きな壁があると感じます。その点、米国や英国では、産業を「守る」のではなく、「競争させる」ことでよりよいサービスをつくるという思想が根付いています。新しい事業が生まれれば、そこに雇用が生まれると考えるからです。実際、ドレミングのビジネスモデルで最も大きなメリットがあるのは銀行なのです。なぜなら、従来彼らとは縁遠かったユーザー層を取り込み、顧客として囲い込むことができるわけですから。
現在、フィンテックの領域はどんどん広がっています。今後、ますます大きなうねりとなっていくでしょう。そうした発展のなかで、従業員に経済的なメリットを与えて、その能力やモチベーションを高めることが、会社にとっても成長エンジンになるということを訴えていきたい。そして、個人の労働者一人ひとりが個人としてもっと尊重されるような社会になってほしい。そういった考え方、価値観を実現するため、このプロジェクトが成功するように、社として全力を尽くすつもりです。

mugendai 2017年11月09日配信 世界20億人の「金融難民」を救え! 世界が注目する日本発のフィンテック・ベンチャー より引用


 先日、全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は19日、「Fin/Sum(フィンサム)ウイーク2017」で講演し、「フィンテック(金融とテクノロジーの融合)の積極活用で少子高齢化などの社会的課題を解決していく必要がある」と述べたそうです。
平野会長はフィンテックの活用において、日本の認知度が世界的に低いと指摘をし、「フィンテックが貧困や格差などの社会的な課題を解決する役割を持つ」として、日本でいち早く進んでいる少子高齢化への対応策が、世界的にも今後注目を集めると発言したそうです。
 ケニアでは、M-PESAというモバイル送金サービスが、多くの銀行口座を持たない人々の生活を一新したそうです。これは都市部だけでなく農村部でも普及しており、金融格差改善へ良い影響を与えているそうです。
 これまでフィンテック市場を先導してきたのはアメリカとイギリスだと言われています。急伸するアジア・パシフィック地域のけん引役は中国で、「規制が緩いこともあり、サービスが次々と生まれている」と評価されています。フィンテックへの投資額とGDPの比率(2016年)は、中国が0.09%なのに対し、日本は0.004%と大きく差がついており、遅れが懸念されています。
 しかしながら、日本でも産学連携やファンドによる出資なども進んでおり、今年がフィンテックの開花年になるのかもしれません。これからが楽しみですね。


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